こんにちは「ゆずせんべい」です。
少し前に投稿しました米国ETF 資産別ランキングにて堂々の第10位にランクインしていた「VUG」ですが、今回はこのETFに関して詳しく解説していきたいと思います。
日本では特別メジャーなETFというわけではないですが、直近 5年の平均リターンは資産ランキング1位の「SPY」を上回る成績を残していました!
「米国株式への投資を検討しているけど、どれにしようか迷っている」という方などの参考になればと思いますので、お時間ある方は是非とも最後までお付き合いくださいね!
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目次
VUG(バンガードグロースETF)とは
正式名称を「Vanguard Growth ETF」と名付けられており、バンガード社が米国の代表的な成長企業を選定し、投資運用していく上場投資信託(ETF)となっています。
管理会社 | ザ・バンガード・グループ・インク(通称:Vanguard) |
設定日 | 2004年1月26日 |
信託報酬 | 0.04% |
総資産額 | 1,691億ドル(2021年10月27日時点) |
組入株式数 | 287銘柄 (2021年10月27日時点) |
上位10銘柄の総資産 | 47.7%(純資産合計に対する資産比率) |
VUGのポートフォリオの構成
VUGは米国国内での多くの大型成長株に投資することができるのですが、総資産の約47.7%を10銘柄で構成されています。
まずはセクターごとの比率を見ていきましょう。
株式セクターの比率
セクター | 構成比率(%) | |
1 | 情報技術 | 48.20% |
2 | 一般消費財 | 24.00% |
3 | 資本財 | 11.50% |
4 | ヘルスケア | 8.20% |
5 | 不動産 | 2.50% |
6 | 金融 | 2.10% |
7 | 素材 | 1.20% |
8 | 通信サービス | 0.90% |
9 | 生活必需品 | 0.80% |
10 | エネルギー | 0.40% |
11 | 公共事業 | 0.20% |
セクター比率は驚くほど偏りがあり、情報技術と一般消費財で全体の約72%を占めていることが分かります。さらに上位 4セクターを合計すると、全体の90%以上を占めてしまいます。
これは現在の成長トレンドとなっているセクターに偏りがあるからですね。成長企業の詰め合わせETFのため、ある程度の方よりは仕方ないと思いますが、この結果には正直驚きました!
銘柄 | 保有比率(%) | |
1 | Apple Inc. | 10.40% |
2 | Microsoft Corp. | 9.90% |
3 | Alphabet Inc. | 7.10% |
4 | Amazon.com Inc. | 6.60% |
5 | Facebook Inc. | 3.80% |
6 | Tesla Inc. | 2.90% |
7 | NVIDIA Corp. | 2.30% |
8 | Visa Inc. | 1.70% |
9 | Home Depot Inc. | 1.60% |
10 | Walt Disney Co. | 1.40% |
情報技術セクターが48.20%も占めているだけあり、1位~5位まではいわゆるGAFAMで37.8%も占めています。さらに最近米国で頭角を現してきた「Tesla」が5位にランクインしております。
まさに米国の株式市場をけん引している、代表的な成長企業が連なっていますね!
面白いのは10位に「Walt Disney」が入っていることです。コロナになる前は3期連続で増収を続けており、業績を拡大させている途中でした。コロナが完全に収束すれば、以前の勢いが戻る可能性も大いにありますね!
上位の保有比率が47.7%とかなりの割合を占めていますが、時価総額加重平均によるものですので、「テスラ」のように、急激に業績拡大する企業が、今後も出てくれば上位5~10位は入れ替わる可能性も十分にあると考えます。
VUGの平均年間リターン
1年平均 | 28.07% |
3年平均 | 22.77% |
5年平均 | 22.16% |
10年平均 | 19.32% |
設定以来平均(2006年4月21日~) | 11.67% |
近年の情報技術セクターの躍進を考えれば、直近 5年平均リターン 22.16%は十分理解できる数字だと思いますが、ETFとしては素晴らしい成績だと思います!
さらに設定来のリターンも11.67%と、長期での実績も残しています。
今後もグロース優位の市場が続くと考えられるならば、十分に保有するメリットのあると考えます。
VUGとSPYのパフォーマンス比較

VUGとSPYの過去5年間(2016年10月~2021年10月)をチャートで比較しました。(青:VUG / 緑:SPY)
「SPY」が114.53%のパフォーマンスに対して「VUG」は175%を超えており圧倒していますね!この5年間はGAFAMが圧倒的なパフォーマンスを出していた為、GAFAMの保有比率が大きい「VUG」が強かったといえます。
VUGのメリット・デメリット
メリット
- 米国の大型成長企業にまとめて投資することができる
- 「QQQ」などのハイテクセクター集中型と異なり、セクターにとらわれないという強みがある
- 信託報酬が年間 0.04%と激安
デメリット
- バリュー企業優位の時期には、資産成長が弱まる
- 世界恐慌などの不測の事態の時に、他のETFに比べて下落幅が大きい可能性がある
- 配当金「0.44%」と極端に少ない
VUG(バンガードグロースETF)の評価
「VUG」の魅力は、日本に住んでいながら、気軽に米国の大型成長企業に分散投資することができることです。
もちろん分散する分、リターンも平準化されてしまいますが。しかしながら個別株投資では多くの人が、保有している成長が停滞した企業の株式を売れずに持ち続けて、機会損失をしていると思います。
しかし「VUG」はバンガード社にとる定期的なリバランスによって、成長が停滞した企業を除外し、新たな成長企業に組み替えてくれますので、個人的には優秀なETFと考えます。
ただし、デメリットでも伝えたとおり、株式には「バリュー」と「グロース」という考え方があり、2021年現在は「グロース優位」で株価成長が順調ですが、いつかは「バリュー」優位の時期に切り替わることが想定されます。
それでも設定来平均リターンも11.67%/年と優秀なことから、インカムゲインより株価上昇によるキャピタルゲインを優先したい方には、ポートフォリオの一部として検討しても良い、優良な米国ETFといえるでしょう。
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